赤ちゃんポスト、運用10年で125人 熊本・慈恵病院

2017/5/9 20:17
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親が育てられない赤ちゃんを匿名で預け入れる国内唯一の施設「こうのとりのゆりかご」(赤ちゃんポスト)は10日、運用開始から10年となる。構想段階から賛否を巡る論争が続く中、2015年度までの9年間に125人の命が託された。

設置している慈恵病院(熊本市)の蓮田太二理事長は9日、市内で記者会見し「(妊娠・出産を)人に知られたくない人に、安心して赤ちゃんを預けてもらいたいと思って始めた。赤ちゃんの命を守るという点で役目を果たせた」と述べた。

運用開始は07年5月10日。捨てられる命を救うとの理念に対し、安易な育児放棄を懸念する声が出た。第1次政権当時の安倍晋三首相が「大変抵抗を感じる」と述べるなど、国も距離を置いた。

市の検証報告書によると、125人は、生後1カ月未満の新生児104人、1年未満の乳児14人、1年以上の幼児7人の男女。父母らの居住地は、北海道1人、東北3人、関東22人、中部11人、近畿10人、中国8人、四国1人、九州39人、国外1人、不明29人。預け入れは近年、年10人程度で推移し、虐待が疑われるケースはなかったが、29人は治療が必要だった。

預けた理由(複数回答)は多い順に「生活困窮」32件、「未婚」27件、「世間体・戸籍」24件など。母親の年齢では20代が36%と最も多い。30代が約22%と続き、10代も12%と少なくない。

預け入れ後の行き先は、13年度末時点の101人の調査で、乳児院など施設30人、特別養子縁組29人、里親19人、元の家庭18人、その他5人だった。

慈恵病院は24時間体制の妊娠相談にも力を入れ、16年度の件数は予期せぬ妊娠など6565件と過去最多だった。07年度からの10年間で、相談から294件の特別養子縁組につながった。〔共同〕

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