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泉南アスベスト訴訟、国の賠償責任認める 最高裁

大阪・泉南地域に集中していた紡績工場でアスベスト(石綿)を吸い、肺がんなどを発症したとして、元従業員らが国に損害賠償を求めた2件の集団訴訟の上告審判決が9日、最高裁第1小法廷(白木勇裁判長)であった。同小法廷は「排気装置の設置義務付けが遅れたのは違法」として、国の賠償責任を認める判決を言い渡した。

全国のアスベスト訴訟で、国の責任を認める最高裁判決は初めて。同時期に他地域のアスベスト工場で働いていた労働者にも、賠償の道が開かれる可能性が高まった。2件の訴訟は国の責任の有無を巡って高裁の結論が分かれていたが、同小法廷は統一判断を示した。

判決理由で同小法廷は、国の戦後の実態調査などの結果、アスベストによる健康被害は「1958年ごろには深刻だと判明していた」と指摘。その上で「できる限り速やかに、罰則をもって工場内に排気装置の設置を義務付け、普及を図るべきだった」と判断し、国の違法を認定した。5人の裁判官の全員一致。

泉南アスベスト訴訟は提訴時期が異なる2つの原告団によって争われてきた。今回の最高裁判決で、一、二審で原告側が勝訴していた「第2陣訴訟」については、国に約3億3千万円の賠償を命じた大阪高裁判決が確定。二審で原告が敗訴した「第1陣訴訟」については、改めて賠償額を算定するため審理を同高裁に差し戻した。

原告側が併せて主張していた粉じん濃度の規制と、防じんマスクの着用義務付けについては、最高裁は国の責任を認めず、原告89人のうち7人は敗訴が確定した。

塩崎恭久厚生労働相は「国の責任が認められたことを重く受け止めている。原告の方には誠に申し訳なく、判決に従って適切に対応したい」などとする談話を出した。

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