2018年12月12日(水)

労災受給者の解雇可能、最高裁初判断
打ち切り補償条件に

2015/6/9付
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労災認定を受けて休職・療養中に解雇されたのは不当だとして、専修大の元職員の男性が解雇無効を求めた訴訟の上告審判決で、最高裁第2小法廷(鬼丸かおる裁判長)は8日、「国から労災保険の支給を受けている場合でも(使用者が)打ち切り補償を支払えば解雇できる」とする初判断を示した。

元専修大職員の解雇無効確認訴訟の最高裁判決後、記者会見する原告=手前(8日、東京・霞が関)

元専修大職員の解雇無効確認訴訟の最高裁判決後、記者会見する原告=手前(8日、東京・霞が関)

同小法廷は、解雇を無効とした二審・東京高裁判決を破棄し、解雇権の乱用に当たるかどうかをさらに審理する必要があるとして審理を同高裁に差し戻した。

労働基準法は業務上のケガや病気で療養中の解雇を原則禁止しているが、使用者が費用負担して療養を始めてから3年が過ぎても治らない場合、賃金1200日分の「打ち切り補償」を支払って解雇できると規定している。

今回の訴訟では、使用者が療養費を負担せず、国が労災保険を支給している場合でも打ち切り補償の規定を適用できるかどうかが争点だった。

同小法廷は判決理由で「労災保険が給付されている場合、労働基準法が使用者の義務とする災害補償は実質的に行われているといえる」と指摘。「療養開始後3年が過ぎても治らない場合、打ち切り補償の支払いで解雇できる」と判断した。4人の裁判官の全員一致。

 最高裁判決が示した判断

最高裁判決が示した判断

一、二審判決によると、男性は2002年ごろから首や腕に痛みが生じて頸肩腕(けいけんわん)症候群と診断され、07年に労災認定を受け、休職した。専修大は11年に打ち切り補償約1630万円を支払って男性を解雇。男性側が地位確認を求めて提訴した。

一審・東京地裁は「打ち切り補償の適用は、使用者による療養補償を受けている場合に限られる」とし、解雇無効と判断。二審・東京高裁も支持していた。

上告審で、専修大側は「労災保険制度は使用者の災害補償責任を肩代わりしており、打ち切り補償を支払った解雇も可能」と主張。男性側は「労災給付では使用者の補償責任は果たされておらず、解雇を認めれば新たな大量解雇の道が開かれる」と反論していた。

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