2017年11月25日(土)

高齢がん患者、治療なしの割合高く 国立がんセンターが報告書

2017/8/9 0:04
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 国立がん研究センターのグループは8日、75歳以上の高齢がん患者に関する報告書をまとめた。がんの種類や進行度によっては、若い世代に比べて治療を受けていない割合が高いことが明らかになった。高齢者の体への負担に配慮して治療法を選んでいるとみられるが、医師の判断に左右される面もあり、高齢者向けの診療指針が求められそうだ。

大腸がん4期の年齢別の主な治療法
(2015年、数値は全体に占める割合・%)
手術のみ薬物療法のみ手術/内視鏡
+薬物
治療なし
40~64歳11.319.956.54.6
65~74歳15.91852.46.7
75~84歳29.712.633.414.7
85歳以上39.22.67.236.1

 専門のがん医療を提供する「がん診療連携拠点病院」427施設が登録する約70万件の患者情報を調べた。75歳以上が36.5%を占め、平均年齢は68.5歳だった。

 胃、大腸、肝臓、肺、乳がんなどで75歳以上の患者が増加傾向にあり、治療実態が若い世代とは違っていた。

 がんはステージ0から4にかけて進行する。例えば大腸がんのステージ3では、75~84歳の約52%、85歳以上の約80%は手術のみだった。40~64歳の約16%と大きな差があった。

 がんが他の臓器に転移したステージ4になると、85歳以上は手術のみが約39%で、治療なしが約36%だった。40~64歳は手術のみが約11%、治療なしは約5%で、手術か内視鏡と薬物療法の組み合わせが約57%だった。高齢者には体に負担がかかる治療を避ける傾向がうかがわれる。

 肺がん(非小細胞がん)は、85歳以上ではステージ4で見つかる割合が約40%で、治療なしが約58%だった。40~64歳では治療なしは約9%で、薬物療法のみが約49%だった。

 高齢のがん患者を巡っては、若い患者に合わせる現在の診療指針でいいのかどうかの議論が始まっている。

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