2019年2月16日(土)

重複感染者に脳死肝移植 薬害HIVとC型肝炎

2014/12/9付
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薬害でエイズウイルス(HIV)とC型肝炎ウイルス(HCV)に重複感染し、肝硬変が進行した40代の男性が6月、九州地方の病院で脳死肝移植を受けていたことが8日、関係者への取材で分かった。重複感染での肝硬変はHCV単独感染の場合より生存率が低く、移植の優先順位となる医学的緊急度が2012年に引き上げられていた。

緊急度引き上げに基づく移植は初めて。

関係者によると、男性は東海地方在住で、昨年夏に日本臓器移植ネットワークに登録。今年6月、脳死提供された肝臓の移植手術を受けた。執刀医は「厳しい病状だったが、現在は仕事に復帰するなど社会生活に戻られており、手術は成功といえる」と話す。

重複感染の実態解明を進めてきた江口晋長崎大大学院教授によると、B型やC型の肝炎ウイルスの単独感染で肝硬変に移行して死亡するのは50~60代以降が多いが、HIVとの重複感染では30~40代と比較的若い世代が目立つ。江口教授は「重複感染者の肝硬変は進行が速く、若年で死亡することが多い」とする。

薬害HIV被害者の支援団体はばたき福祉事業団によると、脳死肝移植の待機登録をしている重複感染者は他に少なくとも3人いる。被害者約800人を調べた結果、97%がHCVに重複感染していたとの研究データもあり、同事業団は「治療の新たな道が開けた」と評価している。

日本脳死肝移植適応評価委員会は12年9月、重複感染者に関し、病状分類に応じた医学的緊急度の点数を引き上げた。従来は劇症肝炎など極めて重症の患者以外は移植を受けるのが難しかった。〔共同〕

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