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震災後1カ月で高齢者の死亡増加、肺炎が目立つ

東日本大震災後の1カ月間に、福島県相馬市と南相馬市で津波や地震の揺れ以外の要因で死亡した75歳以上の高齢者が、震災前の同時期の約1.5倍に増え、特に肺炎で亡くなるケースが目立ったとする調査結果を、相馬中央病院(相馬市)の森田知宏医師(内科)らのグループが8日までにまとめた。

森田医師は「避難に伴い介護が必要な高齢者が口腔(こうくう)ケアを受けられなくなり、口の中の細菌が肺に入って引き起こす誤嚥(ごえん)性肺炎による死者が増えたと考えられる。熊本地震の被災者も注意が必要だ」と話している。

グループは厚生労働省の人口動態統計を使い、津波や地震の揺れで亡くなった人を除いた死者数や死因を調べた。

その結果、震災直後の2011年3月11日~4月10日の死亡率は、06~10年の同じ期間の平均と比べ男性で1.52倍、女性で1.35倍に増加していた。特に高齢者の死亡率が上がっており、85歳以上の男性は1.64倍、女性は1.45倍だった。

さらに、11年3~4月に亡くなった165人のうち、死因が肺炎だったのは47人と判明。うち75歳以上が44人で、9割以上を占めていた。震災前は同じ期間の肺炎による死者は20人程度だった。

一方、相馬市と南相馬市のがんによる死亡率は震災前後で目立った変化がなく、現時点で東京電力福島第1原発事故による被曝(ひばく)の影響は見られないとしている。〔共同〕

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