2019年4月20日(土)

移転価格税制、相談しやすく 国税庁が窓口

2017/6/9 19:45
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海外子会社との取引に課税する「移転価格税制」について、国税庁が企業から相談を受けやすい体制整備に乗り出す。7月に全国の国税局などに相談窓口を設置。移転価格税制は国境を越えた企業の租税回避を防ぐ制度だが、仕組みが複雑で「わかりにくい」との指摘があった。事前相談により企業側は課税リスクを避けることができ、海外事業が行いやすくなる。

窓口は東京や大阪など全国12カ所の国税局・事務所に設置する。海外子会社との取引価格の算定方法や、利益率の設定が適正かどうかなどの相談に応じる。海外子会社などとの取引が年間で50億円以上ある企業などが対象で、1千社程度と見込まれる。

相談は予約制で、企業側はあらかじめ取引の概要などを記した書類を国税局に提出。国税局は他社の同種取引などを参考にしながら、価格などに問題がないかを判断し、回答する。既に実施している取引も対象とする。

現在は企業が行った取引について、国税側が事後的に調べ、価格が適正だったかを判断し、問題があれば課税する。ただ価格の適正さや利益の計算方法について税務当局と企業の主張が対立するケースもあった。

ホンダはブラジルの現地子会社を巡って約75億円の課税処分を受け、10年以上争った。武田薬品工業も約571億円の課税処分について大阪国税不服審判所で争った。いずれも企業側の訴えが認められた。

現在も事前確認の手続きはある。しかし子会社がある国の税務当局との協議をすることもあり、回答までに2年程度かかる。新設する窓口は海外との協議は行わず、数カ月程度での回答を目指す。実際に企業を訪問してアドバイスも行う。

移転価格税制に詳しいデロイトトーマツ税理士法人の山川博樹パートナーは「相談窓口の設置は企業が自主的に適正申告を行う材料となり、非常に有意義だ」と指摘する。

▼移転価格税制 企業が海外子会社などとの取引を利用して課税所得(利益)を操作することを防ぐ制度。例えば海外の第三者には1億円で販売している部品を海外子会社に5千万円で売れば、より多くの利益を子会社に移せ、日本で納める法人税を少なくできる。これを防ぐため、国税当局が取引価格(移転価格)が適正かを判断し、問題がある場合は利益を計算し直して追徴課税する。

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