ヒアリ遺伝子を解析 繁殖阻止の鍵に 国環研

2017/8/8 20:16
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強い毒を持つ南米原産のヒアリの日本侵入が相次ぐ中、国立環境研究所(茨城県つくば市)が国内で採取されたヒアリの遺伝子解析を進めていることが8日、分かった。女王1匹で巣を作る単女王型と、複数の女王で巣作りする多女王型があり、駆除に手間の掛かる多女王型なら、大繁殖を招く恐れがある。解析結果が繁殖阻止の鍵になる。

遺伝子解析では、国内で採取した個体と遺伝子のタイプが分かっている海外の個体を比較する。

国環研などによると、解析対象の遺伝子は、ヒアリが持つにおいに関係すると考えられる「Gp-9」。ヒアリ同士が巣の仲間を認識するための、情報のやりとりに関わっているとみられる。

巣作りに関わる女王と雌の働きアリのGp-9遺伝子にはBB、Bb、bbの3つの型がある。

BB型の雌の働きアリは、BB型の女王1匹だけを仲間として受け入れるため、巣が単女王型になる。Bb型とbb型の雌の働きアリは、Bb型とbb型の女王を何匹でも受け入れるため、多女王型となる。bb型の個体は少ないという。

多女王型の女王は、単女王型の女王と比べて1匹での繁殖力は低い。しかし女王が多いため、巣を完全に駆除したと思っても女王を取り逃がすと復活する可能性があり、一度定着すると駆除が困難。多女王型同士の巣で女王が行き来して巣が巨大化する恐れもある。雄アリは巣が成熟すると羽アリとして生まれ、交尾後に死ぬ。

国環研は兵庫県や東京都、横浜市で採取されたヒアリを解析中で、他の個体も実施する方針。

アリの専門家は「多女王型は新たな環境への適応力が高い。水際での徹底した侵入防止が重要だ」としている。〔共同〕

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