高速道の逆走事故、高齢者6割 14年11月末時点
昨年、高速道路を逆走した車が起こした人身事故は11月末時点で21件(うち死亡事故5件)あり、66.7%(14件)の運転手が65歳以上の高齢者だったことが、8日までの警察庁への取材で分かった。
事故に至らなかった事案も含めると207件に上り、このうち9月末までの発生分165件の分析では、13.9%(23件)の運転手が認知症だったことも判明した。
警察庁の担当者は「案内表示を分かりやすくするほか、認知症や判断能力の低下が疑われる高齢者には、家族とも連絡を取って免許証の返納制度を紹介するなど、対策が急務だ」としている。
過去5年に起きた逆走が原因の人身事故計81件を見ても、運転手が高齢者だったケースは53.1%(43件)に上る。
昨年の人身事故21件は統計を取り始めた2010年以降で最も多く、死傷者も死者6人、負傷者60人で最多だった。
これまで通年でも最も発生件数が多かったのは、12、13年の19件。事故に至らなかった事案も含めた総数も12月分次第では年間で最多だった11、12年の227件を上回る可能性がある。
逆走の理由の詳しい分析はまだだが、インターチェンジ(IC)で進入口を間違えるなどの単純ミスのほか、目的の出口を通り過ぎたため、Uターンして意図的に逆走したケースも目立つ。〔共同〕