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漱石没後100年、人気衰えず 書店で文庫フェア

夏目漱石(1867~1916年)が今月9日に没後100年を迎えた。来年2月9日は生誕150年。この機会に合わせて出版社や書店が動いている。時代を超えて読まれる作品を生んだ驚異の作家の近年の実力や、いかに――。

100年以上続く新潮文庫の中で最も売れているのは漱石の「こころ」で、発行718万部。新潮社広報宣伝部長の私市憲敬さんは「1万点以上のタイトルの頂点。作家が亡くなると、本が売れなくなる例は多いが、漱石は100年たっても売れている。驚きです」。

新潮文庫の漱石作品は17冊で計3020万部超。全国の書店でブックフェアを始めた。

「こころ」「坊っちゃん」「草枕」……。東京・神田の三省堂書店神保町本店では新たなカバーで作品を並べている。店員の母袋幸代さんは「常に平積みから外せないのが漱石作品。キャラクターが魅力の小説から重厚な作品まであり、幅広い世代が買っていく」と話す。

岩波書店は9日から「定本 漱石全集」(全28巻+別巻1冊)の出版を始めた。毎月1冊ずつで、第3巻は150回目の誕生日に出す予定だ。

初めての漱石全集は1917年からの出版。以来、何度も刊行を重ねてきた。93年から出版された全集は自筆原稿を底本にして話題になった。

今回の全集は「定本」と銘打った決定版。前回2002年の全集刊行後に見つかった新資料を増補する。作家の黒川創さんが「満洲日日新聞」に載っているのを発見した随筆「韓満所感」や30以上の俳句、30通以上の書簡などを新たに収録する。

全集編集者の奈倉龍祐さんは「漱石は岩波書店の恩人」と語る。「岩波書店は『こころ』を出したことで軌道に乗った。最初の全集は、その後も岩波の柱となる個人全集の先駆けです。漱石は創業から今に至るまで、屋台骨であり続けた」

早稲田大名誉教授の中島国彦さんは、漱石人気の根強さについて「友情や恋愛、個人と社会との関係など、作品のテーマは今なお新鮮で、生々しい」と説明している。〔共同〕

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