2019年9月22日(日)

認知症、25年に700万人 厚労省が国家戦略案

2015/1/7付
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厚生労働省は7日、10年後の2025年には認知症の高齢者が700万人になるとする推計値を示し、省庁を超えて取り組む国家戦略案を明らかにした。目指すのは、住み慣れた地域で暮らし続けられる社会の実現。早期の診断・診療の体制を整備し、本人や家族が必要とする支援の拡充を図る。戦略案は月内に政府として決定し、来年度以降の施策に生かす。

認知症高齢者の推計は、福岡県久山町の住民を対象に1961年から実施している健康診断の追跡調査を基に厚労省研究班が算出。団塊の世代が75歳以上になる25年には、認知症高齢者は700万人になるとしている。別の研究班は12年時点で462万人と推計しており、十数年で1.5倍に急増する見通しだ。

都市部を中心に病床や介護施設の不足なども予想されるため、新たな戦略案では、要介護状態になっても「住み慣れた地域で自分らしい暮らしを続けられる社会を実現する」ことを基本的考えとして明記した。

徘徊(はいかい)で行方不明になる人の発見・保護のため、警察や住民が一体となった見守り体制を全国に整備。交通事故を防ぐための高齢者への訪問指導、詐欺などの被害に遭わないようにするための相談体制を設けることを打ち出した。

「認知症の人は症状を自覚しても将来への不安などから診察を受けることに二の足を踏んでしまうケースが多い」(医療関係者)とされるほか、専門医や相談窓口の不足も指摘される。

このため戦略案では、17年度までに早期診断に必要な研修をかかりつけ医6万人に受講してもらう計画を明記。13年度から始まった現行の5カ年計画(オレンジプラン)から目標値を1万人引き上げた。

歯科医師や薬剤師など幅広い医療従事者にも診察時や服薬指導の際に症状に気づいてもらうよう研修を実施。新任の介護職員向けには、認知症介護に最低限必要な知識・技能を学べる研修制度を創設する。

戦略案では、物忘れが出始めるなど「認知症の初期段階では必ずしも介護は必要でなく、むしろ生活に必要な支援が十分ではない」とも指摘。本人や家族から生活上のニーズを調査し、当事者の意見を政策に反映させるとした。

65歳未満で発症する若年性認知症は09年時点で推計約3万8千人。家族らを抱える現役世代の支援のため、都道府県に相談窓口を設けて担当者を配置、交流の場づくりや就労支援も進める。

昨年11月に東京都内で開かれた認知症の国際会議で、安倍晋三首相は現行のオレンジプランに代わる戦略案の策定を表明。厚労省を中心に警察庁など計12省庁が共同で必要な施策をまとめた。

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