2018年7月23日(月)

80時間超す残業、企業の2割 初の「過労死白書」

2016/10/7 9:40
保存
共有
印刷
その他

 政府は7日、過労死等防止対策推進法に基づく「過労死等防止対策白書」を初めて閣議決定した。1カ月間の残業時間が、労災認定の目安となり「過労死ライン」とされる80時間を超えた正社員がいる企業は22.7%に上ると指摘。正社員の4割近くが高いストレスを抱えながら働いている実態も浮かび、職場環境の改善、働き方の見直しなどを訴えている。

 2014年の同法施行を受け、厚生労働省は昨年12月~今年1月、企業約1万社(回答は1743社)と労働者約2万人(同約1万9千人)を対象とする調査を実施。結果を白書に盛り込んだ。

 過労死ラインを超える残業をしている正社員がいる企業の割合を業種別にみると、最も高かったのは情報通信業で44.4%。研究や専門的な技術サービスを提供する企業が40.5%、運輸・郵便業が38.4%で続いた。同省は「人員不足や、予定外の仕事が突発的に発生することなどが影響している」とみる。

 過労死等防止対策推進法について「大まかな内容を知っていた」とする企業は38.1%にとどまった。

 一方、労働者調査では正社員の36.9%が高ストレスを抱えていることが分かった。業種では医療・福祉(41.6%)やサービス業(39.8%)の割合が高い。

 正社員で自身の疲労の蓄積度について「高い」「非常に高い」とした人は32.8%。睡眠時間も45.6%が「足りていない」か「どちらかといえば足りていない」とした。理由(複数回答)は「残業時間が長い」が最も多く、36.1%が挙げた。

 長時間労働などの「勤務問題」を原因の一つとする自殺者は、年間2千人を超える状況が続いている。

 白書では過労死について「労働時間や職場環境だけでなく、業界を取り巻く環境や労働者側の状況など多岐にわたる要因の分析が必要」と指摘。厚労省は約2万人を10年間追跡する大規模調査を準備中で、過労死の実態解明をさらに進める。

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報