難病「ベーチェット病」発症のメカニズム解明 横浜市大など
原因不明で全身に炎症が起き、失明することもある難病「ベーチェット病」の発症に関わる複数の原因遺伝子を、横浜市立大が参加する国際チームが新たに見つけ発症メカニズムを解明したと9日までに発表した。米科学誌ネイチャージェネティクス電子版に掲載された。
チームに参加した横浜市立大の水木信久教授は「患者の遺伝情報に基づいた効果的な治療薬の開発が期待される」と話している。
ベーチェット病は厚生労働省が指定する難病の一つで、国内患者数は約1万9千人。水木教授らは米国立衛生研究所やトルコ・イスタンブール大などと共同で、ベーチェット病の患者が多い日本やトルコ、イランの患者3477人と健常者3342人の遺伝子を解析。免疫反応に関わる6つの領域で発症に関連する遺伝子を特定した。
このうち1つを詳しく調べた結果、患者には皮膚の防御に関わるタンパク質が少なく、炎症を起こすタンパク質が過剰に出る傾向があった。防御機能が低下した皮膚から病原体が侵入、全身で炎症反応が起き、ベーチェット病の発症につながるとみられる。
また難病のクローン病や潰瘍性大腸炎のほか、感染症のハンセン病とも原因遺伝子が共通していることも分かった。〔共同〕