北方領土のヒグマ、サケ食べて色白に?
総合地球環境学研

2016/5/7 20:51
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白い体色のヒグマが生息する北方領土・択捉島では、北海道に比べてヒグマがより多くのサケを食べていることが分かったとの研究成果を、総合地球環境学研究所(京都市)の松林順・研究推進支援員らが7日までに、発表した。

国後島で撮影された「白いヒグマ」(2010年9月)=小林喬子氏撮影・共同

国後島で撮影された「白いヒグマ」(2010年9月)=小林喬子氏撮影・共同

松林氏は「白いヒグマが存在する要因はサケだけでは説明できないが、解明に向けた手掛かりになる可能性がある」と指摘している。

「白いヒグマ」は上半身が白く、下半身は茶色や灰色。これまで北方領土の択捉、国後の両島で確認され、世界的にもこの地域でしか報告がないという。

松林氏らと北海道大の研究チームは、1920~45年に採取され、北海道大学植物園・博物館に所蔵されている択捉島のヒグマ23頭の頭骨の元素を分析し、栄養としてサケをどの程度食べたかを推測。その結果、北海道東部ではヒグマの食物に占めるサケの割合は8.2%だったが、択捉島では27.3%に上った。

分析対象となった択捉島のヒグマの体色は不明だが、島の開発が進んでいないことから、20世紀前半と現在で食性は変わっていないとみられる。道東のヒグマ190頭は96~2011年に捕獲された。

松林氏は「白いヒグマは水中のサケに見つかりにくいため増えた可能性がある。謎の解明には遺伝やヒグマを捕食するオオカミの存在の有無などを考慮する必要がある」と話している。

研究チームによると、カナダでは白いアメリカクロクマの方が黒い個体より日中にサケを捕獲できる確率が高いことが分かっている。一方、択捉島より多くのサケを食べる北米のヒグマでは、白い個体は見つかっていない。〔共同〕

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