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新国立の旧計画、ずさんな契約 会計検査院指摘

理事長の押印を後回し

会計検査院は6日、国の2014年度決算の検査報告をまとめ、安倍晋三首相に提出した。税金の無駄使いや徴収漏れなどの指摘は計約1568億円。白紙撤回された新国立競技場関連や、STAP細胞問題に揺れた理化学研究所でも不適切な経理処理が明らかになった。消費増税などで税金の使い道への視線が厳しさを増す中、会計管理の徹底が急務だ。

JSC

日本スポーツ振興センター(JSC)では、新国立競技場の旧建設計画での設計業務を含む契約手続きの不備が判明した。12年4月から今年1月までに締結した338契約のうち47契約(計約49億円)で理事長の記名押印がないまま業者と契約が結ばれており、会計規則に違反していた。

設計会社4社と締結した新国立競技場の設計業務(約25億7千万円)では書類上の契約から約1カ月後に記名押印がされており、契約が確定しないまま設計業務が進められていた。

このほか、4契約で正式な契約書がないのに伝票を作成し業者に代金を支払っていた。JSCの大東和美理事長は6日、「規則を順守し適正な会計処理を行う風土の醸成が欠けていた」と述べた。

理研

STAP細胞論文の不正問題に直面した理化学研究所では、不適切な入札で業者を指定して高級家具を買ったり、発注権限のない研究員が契約担当部署に無断で物品を購入したりしていた。

11年3月には、神戸市の研究施設で使うイタリアブランドのいすやテーブル数十点(計954万円)を一般競争入札で購入。実際は「背もたれと座面に288個の穴があること」などと指定し、特定のブランド以外を排除していた。

また発注権限のない研究員が、遺伝子解析の研究に使うDNA合成製品をメーカーに直接発注した事例が09~14年度に計3892件(計約3億8千万円)あった。

STAP細胞を巡っては、小保方晴子元研究員らによる研究費の総額は約5320万円で、不正に関する調査費約9170万円を加えた合計額は約1億4千万円だった。

震災関連

東日本大震災の復興予算関連では、自治体の災害復旧事業に充てられる「震災復興特別交付税」の11~14年度の交付状況を調査。3県と14市町で見込み額で算定した交付税が適切に精算されていなかったり、対象事業以外の経費が計上されたりしていた。計約28億5千万円が過大に交付されており、検査院は総務省に精算方法の改善を求めた。

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