濁流の町 続く厳戒 救助阻む流木の山、降雨予想に不安募る

2017/7/7 0:43
共有
保存
印刷
その他

 福岡、大分両県を襲った記録的豪雨により各地で死者・行方不明者が相次ぎ、交通網が寸断した。6日朝からはヘリなどを使った救助活動が本格化したものの、福岡県の朝倉市や東峰村では多くの住民が孤立状態となった。「いつまで続くのか」。今後も激しい雨の恐れがあり、2日目の夜を迎えた避難所は不安の声で満ちた。(1面参照)

 甚大な被害を受けた朝倉市。6日夕、孤立した地域で一晩を明かした9人がヘリで救助された。屋外にいたため1人は低体温症で、災害派遣医療チーム(DMAT)の治療を受けた。「雨に打たれたままで助けも来ないかと何度も諦めかけた」。50代男性の顔には疲労の色が濃い。

 救助活動は6日早朝から始まり、大型車両に乗った自衛隊員らが一般車両では近づけない地域に向け次々と出発した。昼すぎにヘリで救助された女性は「不安な夜だった。夫は介護も必要なので逃げようにも逃げられなかった」と安堵の表情を浮かべた。

 市役所に設けられた対策本部では、市職員のほか警察や消防、自衛隊が被害状況の把握を急いだ。黒板に貼られた紙には、救助を求める孤立地域と人数などが次々と書き込まれていった。夜になってからも「生き埋めになっている人がいる」といった情報が飛び込んでくる。

 天候も救助を阻んだ。大気が不安定な状態が続き、ヘリが飛ばせない時間帯もあった。孤立状態の解消は思うように進まず、市職員は「避難しようと自力で動いている人もいる。被害がどのくらい出ているのか、しっかりと把握できない」と焦りを募らせた。

 被害の状況も徐々に明らかになってきた。大分県日田市では濁流にのまれた家屋がひしゃげ、大量の流木が道をふさいだ。JR久大線の鉄橋は流失し、ぐにゃりと曲がった線路が茶色く濁った水中に没していた。

 避難者数は福岡、大分両県で計約2千人。九州北部では今後も広い範囲で降雨が予想され、避難所では不安の声が上がった。

 朝倉市内の杷木中学校の体育館には近隣住民ら160人以上が身を寄せた。自宅の物置小屋が流木で倒壊したという男性(74)は「早く家に帰って自宅に土砂が入らないようにしたいが、まだ雨が降るという情報もあるので帰れない」。6日になって避難してきたという女性(44)は「昨晩もゴーゴーという豪雨の音で眠れなかった。(体育館に敷かれた運動マットで)きょうも寝苦しい夜になりそう」と話した。

 朝倉市は6日、同市内で死亡した1人が藤本哲夫さん(66)と発表。日田市は死亡した1人が山本岳人さん(43)と明らかにした。

共有
保存
印刷
その他

電子版トップ

【PR】

【PR】

主要ジャンル速報

北海道 7:01
7:00
東北 7:00
7:00
関東 7:01
7:00
東京 7:01
7:00
信越 7:00
7:00
東海 7:05
7:01
北陸 6:32
6:25
関西 6:32
6:25
中国 7:01
7:01
四国 7:02
7:01
九州
沖縄
6:01
6:00

【PR】



日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報