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企業の内部通報、使える制度に 消費者庁が指針改定

企業の不祥事の早期発見につなげようと導入された内部通報制度。コンプライアンス(法令順守)の徹底につなげている会社がある一方、中小企業を中心に「仕組みが分からない」という声も根強い。消費者庁は通報者と窓口担当者の面談方法を具体的に提示するなど、企業向けの指針を改定、制度のより有効な活用を促している。

内部通報は企業の従業員らが不正行為などを発見し、勤務先の窓口に通報する制度。一定の条件を満たせば行政や報道機関への通報と同じく「公益通報」と認められ、通報者は公益通報者保護法に基づき、不利な扱いから守られる。通報を受け付けるのは社内の「内部窓口」と、事業者が法律事務所などに委託する「外部窓口」の2種類。

ただ、導入は義務ではなく、中小企業には浸透しきっていない。消費者庁の2016年の調査では、民間事業者約3500のうち大企業の99%が導入済みだったのに対し、中小は40%。導入していない理由は「どのような制度か分からない」が多く、「法律上の義務ではない」「導入の仕方が分からない」が続いた。

労働者3千人に聞いたところ、不正を知った場合に公益通報の窓口に通報・相談するとしたのは57%。43%が「しない」と答えた。理由は「通報しても改善される見込みがない」が最多だった。「自分とは無関係」「解雇や降格といった不利益扱いを受ける恐れがある」も多かった。

こうした現状を受け、同庁は昨年12月、有識者による検討会の議論を踏まえて指針を改定した。

通報を受け付ける際、専用回線を設け、勤務時間外に個室や事業所の外で面談するといった慎重な対応を求めた。記録は施錠管理し、関係者の固有名詞を仮称表記にすべきだとした。

調査に乗り出す場合は、通報者の特定を防ぐため、端緒が分からないように工夫することも要請した。問題になっていない部署もダミーとして調べたり、抜き打ちの監査を装ったりする方法を示している。

さらに不正に関与した人が自主的に通報し、調査に協力する場合は、処分を減免することができる制度(リーニエンシー)の整備も考えられるとした。

同庁は今後、企業向けに指針の説明会を開く。制度がうまく機能している企業を認証する制度も来年度に新設する方針で、担当者は「企業やその製品が信頼できるかどうか、消費者や取引先が判断する一つの材料にしたい」と話す。

日本IBMの北城恪太郎相談役は検討会で「内部通報をすると他人をおとしめるのではないかという発想があるが、大きな問題が起きないようにすることは、会社のためでもあるという考え方が必要だ」と指摘した。

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