森友学園の小学校、認可延期へ 松井知事が表明
学校法人「森友学園」(大阪市)が大阪府豊中市で建設中の小学校について、大阪府の松井一郎知事は6日、記者団に「4月開校は物理的に難しい」と述べ、3月中の認可を先送りする考えを表明した。府に提出した学園側の資料に、信ぴょう性が疑われる事例が相次ぎ判明し、府の確認作業に時間がかかるため。府は入学予定者の転入学手続きを急ぐ方針だ。
財務省の佐川宣寿理財局長は6日の参院予算委員会で、森友学園が開設予定の小学校の開校が認可されなかった場合、売却時に学園が国に支払った金額で買い戻すことが可能だと説明。その上で「大阪府の私学審議会の議論を踏まえて適切に対応したい」と述べた。
同学園の小学校を巡っては、児童確保策として「愛知県の中高一貫校と卒業生の推薦枠を設けてもらうことで合意した」と府側に報告していたものの、一貫校側は「事実無根」と否定していることなどが判明している。
松井知事は「学園側の言い分を性善説で了解できる状態にない。確認作業だけでも相当の日数がいる」と指摘。23日に開く予定の府私立学校審議会(私学審)に向け、事実確認が間に合わないとの認識を示した。
小学校については6日、同学園が私学審に報告した校舎の建築費と、国の補助金を申請する際の建築費が食い違っていたことも関係者への取材で分かった。
国土交通省によると、森友学園は2015年、小学校建設について、木材を大量に使った大規模建築物に対する国の補助金を申請。対象となる建築費は21億8千万円と見積もり、1億1875万円の支給を求めた。これに対し、国は補助金の趣旨に合致するのは全体の7割程度と査定。15~16年度の2年間で計6194万円を支払うと決め、すでに約5600万円が支払われたという。
一方、府私学課に提出した契約書の写しによると、校舎の建築費は7億5600万円だった。学園側は2月の私学審に、開校10年目までの収支計画書を提出。建築費については16年度と17年度に分けて計上するとしていた。国交省の補助金収入については計画に盛り込んでいなかった。府私学課は「国交省に申請した建築費と食い違っていることは知らなかった。学園側に確認する」としている。