世界の糖尿病患者4億2200万人 成人の8.5%
14年、WHO報告
【ジュネーブ=原克彦】世界保健機関(WHO)は6日、糖尿病を患う人が2014年に世界で4億2200万人にのぼったとの報告書を発表した。肥満者の増加に伴い1980年の1億800万人から大幅に増え、成人人口に占める比率も4.7%から8.5%へと上昇した。近年は所得水準の高い国よりも低所得や中間所得での増加が顕著になっている。
報告書によると、12年には糖尿病で150万人が死亡し、さらに220万人が常時高血糖による循環器疾患などで死去した。合計370万人のうち、43%は70歳未満で亡くなった。安価なインスリンが行き渡りにくい事情もあり、低所得か中間所得の国の方が若く死亡する傾向があるという。
WHOは糖尿病などによる疾患が患者やその家族に加えて、各国の医療保険制度や経済全体にとっても大きな負担になっていると指摘。各国の保健当局が対応を強化できるようにすることや、子供のうちから肥満を防ぐための取り組みを行政の優先課題にすべきだと勧告している。