2019年6月25日(火)

北海道の水族館、クリオネ集め苦心 流氷接岸遅れで

2016/3/6 20:25
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北海道の水族館がこの冬、「流氷の天使」と呼ばれる巻き貝の一種、クリオネ集めに苦労している。クリオネは北からの冷たい海水にのって北海道のオホーツク海沿岸にやって来るが、今年は流氷接岸が過去最も遅くなった影響で波の高い日が続き、海での採取が進んでいない。水族館関係者は「まだ今年は必要な分の100分の1しか採れていない」と嘆く。

網走地方気象台は2月22日、流氷が接岸し船が航行できなくなる「流氷接岸初日」を網走市で観測したと発表した。平年より20日、昨年より34日遅く、1959年の観測開始以来、接岸しなかった89年を除き、最も遅い記録となった。

展示用クリオネは毎年1~3月ごろ、海岸付近で漂っているのを網ですくって集める。北海道立オホーツク流氷科学センター(紋別市)の桑原尚司学芸員(40)は「流氷は波を穏やかにする。波があると小さなクリオネは見えず作業できない」と話す。流氷接岸の遅れで今年は採取期間が短くなった。

クリオネは特定のエサしか食べないため飼育が難しく、大半が1年以内に死ぬ。このため、大量の展示を目指す道内の施設では毎年一定数の確保が必要となる。国内最大規模の常時約1500匹の展示を目指す同センターは、通年展示のため3月ごろまでに1万5千~2万匹の確保を目指しているが、現在までに採れたのは約5千匹だ。

水族館を併設する研究施設「氷海展望塔オホーツクタワー」(紋別市)は目標1万匹で、まだ約130匹しか採れていない。紋別市には2月24日に流氷が接岸した。同タワーの村井克詞研究員(46)は「クリオネがいなくなる今後約1カ月が勝負だ」と話している。〔共同〕

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