被害防止へ遺族が研究会 逗子ストーカー殺人2年

2014/11/6付
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神奈川県逗子市で2012年、三好梨絵さん(当時33)が元交際相手の男(当時40、自殺)に刺殺されたストーカー殺人事件は6日で発生から2年。事件では警察の対応に批判が集中したが、「もっと広い視点で問題を考えるべきだ」との遺族の呼び掛けで、ストーカー事件を防ぐ方法を考える専門家の研究会が今月、発足する。

呼び掛けたのは大学教員をしている三好さんの兄(43)。「妹の事件については穏やかな気持ちになってきた。これでやっとスタート地点に立てる」と心境を語る。

研究会には法律や心理学の研究者、カウンセラーら約30人が参加。今月15日に東京で初会合を開き、来年秋までに6~7回会合を計画。関西地方でも開く予定で、成果を発表するシンポジウムや書籍出版も考えている。

事件では、神奈川県警逗子署が殺人事件の前に男を脅迫容疑で逮捕、取り調べた際、三好さんが男に伝えないよう要望した結婚後の姓や住所を読み上げたことが判明。男が執行猶予付きの有罪判決を受けた後、千通を超えるメールを送ったのに、当時はストーカー規制法の付きまとい行為と明記されていなかった。

警察の「落ち度」が批判され規制法改正につながったが、兄は「警察だけの問題ではない」と指摘する。厳罰化だけでは犯行を防げないとの思いからストーカーのカウンセリングや治療も必要と考え、研究会で可能性を探る。被害者が気軽に相談できる窓口の設置や加害者の家族への支援も議論する。

兄は「これまでになかった情報交換の場にしたい。答えを出すのではなくいろんな可能性を示し、社会で議論してもらえれば」と話している。

▼逗子ストーカー殺人 2012年11月6日、神奈川県逗子市の集合住宅で三好梨絵さんが元交際相手の男に刺殺され、男は自殺した。男は事件前、三好さんに大量のメールを送っていたが、ストーカー規制法の対象外だったため、事件を機に同法が改正された。男から三好さんの住所割り出しを依頼された探偵業者の発注で逗子市役所に電話をかけたとして、調査会社経営者が偽計業務妨害の罪などで起訴された。〔共同〕

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