ストーカー規制強化、加害者治療拡充を 警察庁有識者会議

2014/8/5付
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 ストーカー規制のあり方を議論してきた警察庁の有識者検討会(座長・前田雅英首都大学東京法科大学院教授)は5日、報告書をまとめた。ストーカー規制法で禁ずる行為をさらに広げる規制強化に加え、加害者の病的な執着心を取り除くための治療・カウンセリング体制の検討なども求めた。実現には法改正が必要な点が多く、同庁は、国会議員や関係機関と調整を始める。

 警察関係者によると、大半のストーカー加害者は、警察から注意や警告を受けるとストーカー行為をやめるが、何度警告をしても効果がない加害者も一定数いる。警察庁は現在、被害者への病的な執着心を取り除くため、警告を出した加害者に対し、精神医療の専門家による治療やカウンセリングを受診するよう促す調査研究を始めている。

 報告書は「治療やカウンセリングで内面に働きかけることは、警告や検挙でもストーカー行為を止められない加害者への有効な対策になる可能性がある」と指摘。警察庁や関係省庁、医療機関が連携し、更生プログラムを実施することを検討するよう求めた。

 加害者の更生が図られているかどうかをチェックするため、保護観察所と警察などが連携して再びストーカー行為をすることのないよう定期的にフォローする仕組みの導入も求めた。

 報告書は、フェイスブックやツイッター、LINE(ライン)など交流サイト(SNS)の機能を使ってメッセージを送り付ける行為についても「速やかに規制対象とすべき」とした。

 昨年のストーカー規制法改正で電子メールの連続送信が禁止されたが、警察庁によると、SNSを使って恋愛感情を持った相手に繰り返しメッセージを送りつけるなどの被害が既に出ているという。

 被害者の自宅付近をうろつく徘徊(はいかい)についても同法の規制対象に含めるよう求めた。

 同法違反は現在、被害者の告訴がなければ立件できない「親告罪」の形式となっているが、事態が急変する前に警察が本格的に捜査できるようにするため、被害届なしで立件が可能な「非親告罪」への変更について「議論すべきだ」とした。

 このほか、被害者の転居先など個人情報が地方自治体から漏れ、ストーカー加害者に居場所を突き止められたケースがあったことから、個人情報保護の徹底を求めた。被害者対応にあたる女性警察官による体制拡充や被害者への経済的支援なども必要としている。

 検討会は、昨年6月に同法が改正された後も三鷹市で女子高校生が元交際相手に殺害されるなど、深刻なストーカー被害がやまないことで、設置された。同法が作られるきっかけとなった埼玉県桶川市のストーカー事件で長女を殺害された猪野憲一さん夫婦が委員として参加した。

 2013年のストーカー認知件数は約2万1千件で過去最多となった。

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