子供の貧困調査実施10都府県のみ 首都大など調べ
子供がいる世帯を対象とした貧困率などの実態を調査している都道府県が10都府県にとどまることが4日、首都大学東京の子ども・若者貧困研究センターなどの研究チームの調査で明らかになった。同大の阿部彩教授は「市町村の調査もあるが、県レベルなら格差など実態がより把握できる。実施が必要だ」としている。
調査は今年4月18日~6月30日に、全国47都道府県を対象に実施。4月に熊本地震で大きな被害を受けた同県を除く46都道府県から回答を得た。
2014~16年度に、子供や子供がいる世帯を対象に貧困率などの実態調査をしているかどうか(予定含む)を聞いたところ、「実施している」と答えた自治体は10都府県にとどまった。検討中の北海道を除く35県が「実施していない」とした。
「子どもの貧困対策課」などの貧困対策専門の担当部署を設置している都道府県は8県のみ。都道府県レベルでの貧困対策が進んでいない状況が浮き彫りになった。
研究チームは、優れた貧困対策事業として、「大阪府の高校内の居場所(カフェ)による中退予防」や「滋賀県の子ども食堂」などの取り組み事例を紹介した。