テロ犠牲者7人、無言の帰国 政府専用機が羽田空港に到着
バングラデシュの飲食店襲撃事件で犠牲になった日本人7人の遺体と遺族らを乗せた政府専用機が5日午前5時50分ごろ、羽田空港に到着した。同空港では岸田文雄外相など政府関係者や国際協力機構(JICA)の北岡伸一理事長などが遺体を納めたひつぎに献花し、冥福を祈って黙とうをささげた。

遺族らは現地時間の4日午前(日本時間同日午後)、首都ダッカの軍病院で遺体と対面。事件現場の飲食店で献花するなどした後、同日夜にダッカ国際空港から帰国の途についていた。
事件に巻き込まれ顔などを負傷し、入院していた渡辺玉興さんも医療専用機で5日午前4時前に羽田空港に到着。渡辺さんはストレッチャーに横たわったまま病院に搬送された。容体は安定しているという。
事件で犠牲になったのは岡村誠さん(32)、酒井夕子さん(42)、下平瑠衣さん(27)、小笠原公洋さん(56)、田中宏さん(80)、黒崎信博さん(48)、橋本秀樹さん(65)の7人。
政府関係者によると、7人の遺体には首や顔を刃物で切られた傷が多く、銃撃による傷もあった。被害者の居住地を管轄する警視庁と神奈川、埼玉、千葉の4都県警は合同捜査本部を設置。刑法の国外犯規定を適用し、殺人や逮捕監禁などの容疑を視野に捜査する。合同捜査本部は遺体を司法解剖し、死因の特定を急ぐとともに今後、渡辺さんの回復を待って話を聴くなどして当時の状況を詳しく調べる。