メタボ健診、効果検証2割のみ データベースに不備
特定健康診査(メタボ健診)の効果を検証するため、厚生労働省が導入したデータベースに不備があり、収集データの約2割しか検証できない状態にあることが4日、会計検査院の指摘で分かった。検査院はこれまでに収集したデータを使って効果が検証できるよう、システムの改修を求めている。
メタボ健診制度は2008年4月、生活習慣病予防による医療費抑制を目的に導入された。健診の効果を検証するため、厚労省は09年4月、約28億円をかけて健診データとレセプト(診療報酬明細書)データを収集・保存するデータベースの運用を開始。両データを照合し、分析することで受診者の検査値の改善状況や医療費抑制効果などを確かめる計画だった。
だが、検査院が全国の市町村や健康保険組合などに行った調査では、11、12年度の2年間にメタボ健診を受けた延べ4827万人のうち、両データを照合できた受診者は22%にとどまった。
健診実施機関や医療機関によって、受診者の被保険者証等記号などの入力方法が「全角」「半角」で異なるほか、氏名も「カタカナ」や「漢字」が混在し、統一されていなかったことが原因。入力形式の違いを補正する機能も不十分なため、同一人物でも匿名化処理してつくる健診データとレセプトデータのIDが異なり、照合できない状況が続いているという。
厚労省は「検査院の指摘を踏まえ、今年7月に民間業者とシステム改修の委託契約を結んだ。正確なデータ分析ができるよう改修を急ぎたい」としている。