「幻の魚」イトウ1000匹生息 北海道で国環研など調査
国立環境研究所と米国のワイルドサーモンセンターは4日、絶滅危惧種で「幻の魚」といわれるイトウが北海道北部の猿払川に1000~1250匹生息するとの調査結果を発表した。イトウは北海道だけに生息し、猿払川が最も多いとされている。地元の環境保護団体の活動などの効果で、十数年前とほぼ同水準を維持しているという。
イトウはサケ科の大型の淡水魚。かつては北海道や東北地方で見られたが、河川改修が進んだ結果、石狩川など北海道の10程度の河川にだけ生息している。
国環研の福島路生主任研究員らは、昨年と今年の産卵期に、超音波を使う水中カメラなどで調査した。昼夜を問わず観察したところ、2013年は335匹、14年は425匹の遡上を確かめた。調査した支流の占める割合は全流域の3分の1に当たるため、猿払川全体では1000~1250匹ほどが生息していると見積もった。