希少イルカ、30頭まで減少 メキシコ沖「絶滅の危機」
【ワシントン=共同】メキシコ北西部のカリフォルニア湾にのみ生息するコガシラネズミイルカ(通称バキータ)の個体数が、2016年に30頭程度にまで減少したことが国際調査グループの調べで4日までに分かった。
調査報告書は「今すぐ何頭かを捕獲し、安全な場所で保護しなければ絶滅してしまう」と警鐘を鳴らしている。ただしこの案には「慣れない環境に置くことで死んでしまう」と異議を唱える専門家もいる。安定的に生存できる「最小存続可能個体数」がバキータの場合、50頭ほどだとする見積もりもあり、状況は切迫している。
バキータは漁網にかかって死ぬケースが多く、出生数も少ないことが減少の原因とされる。1990年代終わりには600頭がいたと推定されているが、2014年には100頭を切り、15年に60頭にまで減った。
バキータは体長が150センチ程度で、ネズミイルカの中でも世界最小とされる。
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