AIで効果的な薬剤特定 米大、カエルで病気再現
【ワシントン=共同】人工知能(AI)が選んだ薬剤をアフリカツメガエルの卵に投与し、狙い通りの病気を持ったオタマジャクシを誕生させることに成功したと、米マサチューセッツ州のタフツ大のチームが4日までに発表した。
チームによると、狙った効果を生体に与える薬剤をAIで特定したのは初めて。「膨大な動物実験を省き、効果のある薬を発見するのに役立つ」としている。
チームはこれまで、色素を作る細胞が過剰にできる「色素過剰症」のオタマジャクシを、卵に電圧を加える手法で作製していた。この方法では色素細胞が体全体に広がるが、これを体の一部に片寄らせる方法をAIを使って探すことにした。
薬剤も含めた外部からの刺激に対する細胞の反応や、細胞同士の間で生じる信号のやりとりをAIに学習させた上で、卵に薬剤を与えた場合にどのように成長するかを計算した。
薬剤の組み合わせなどの条件を変えながら600回近く計算を繰り返したところ、3種類の化合物を混ぜて投与すれば、色素細胞が過剰にできて片寄るはずだとの答えが出た。
チームが実際にその方法で実験すると、生まれたオタマジャクシ167匹のうち約4分の1でAIの予言通りに病気が再現された。