食べログ掲載の投稿情報、削除認めず 札幌地裁判決
飲食店の利用者が感想を投稿するグルメサイトに事実と違う内容を投稿されたとして、札幌市の飲食店経営会社が、「食べログ」を運営するカカクコムに店舗情報の削除などを求めた訴訟の判決で、札幌地裁は4日、請求を棄却した。原告側は控訴を検討する。
判決理由で長谷川恭弘裁判長は「原告の会社は法人であり、広く一般人を対象に飲食店を営業しているのだから、自己の情報を『個人』と同じようにコントロールする権利はない」と指摘。
さらに「原告の請求を認めれば、情報が掲載される媒体を選択し、望まない場合は掲載を拒絶する自由を原告に与えることになる。他人の表現行為や得られる情報が恣意的に制限されることにもなり、容認できない」との判断を示した。
判決によると、飲食店は北広島市にあり、「料理が出るまで長時間待たされた」との投稿が食べログに寄せられた。会社側は2012年12月ごろ以降、投稿や店情報の削除を要請したが、カカクコム側は応じなかった。〔共同〕