避難区域の歴史資料守れ 大学が協力、地域の絆保つ

2017/2/9 12:30
共有
保存
印刷
その他

 東京電力福島第1原子力発電所の事故で、福島県内の避難区域に残された個人所蔵の古文書や写真などの歴史資料を収集、保全する取り組みが続いている。事故から6年近くが過ぎる中、関係者は今後、住民が慣れ親しんだ地域のつながりを再確認するきっかけになると期待している。

 「もう少しこの手紙を広げて、写真を撮りましょう」。昨年11月、福島市の福島大では阿部浩一教授(日本中世史)や学生、ボランティアが集まり、資料の保全活動に取り組んでいた。学生らは丁寧な手つきで収集した古文書を開き、1枚ずつ写真に収めていった。

 福島大は2015年8月、全町避難が続く富岡町と協定を締結。解体される家屋などから、住民の同意を得た古文書や写真など約1万4千点以上を収集した。同様に全町避難中の双葉町は筑波大(茨城県つくば市)と協力し、資料の保全を進めている。

 富岡町の民家からは、1938年に撮影された、同町のシンボルの一つ「夜の森地区」の桜の並木道の写真が見つかった。現在より背が低い若い木も確認でき、町の歩みを物語る資料となった。

 政府は同町について、放射線量が高い一部地域を除き、4月1日に避難指示を解除したい意向を示したが、住民の帰還が進むかは未知数。被災地の文化財を活用した地域づくりに携わる福島大の柳沼賢治特任准教授(地域政策)は「資料を継承し歴史を共有することは、震災で破壊された地域の人間関係の復興に必要だ」と強調する。

 保全する資料の数が膨大で人手が不足しており、福島大はボランティアの参加も受け付けている。〔共同〕

共有
保存
印刷
その他

電子版トップ

【PR】

【PR】

主要ジャンル速報

北海道 7:00
2:00
東北 19日 21:00
19日 21:00
関東 2:00
2:00
東京 19日 22:00
19日 22:00
信越 2:00
2:00
東海 21:35
21:30
北陸 21:30
21:30
関西 18:28
18:00
中国 2:00
2:00
四国 2:00
1:30
九州
沖縄
21:34
21:30

【PR】



日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報