川端康成、受賞の2年前も「あと一歩」 ノーベル文学賞

2017/1/3 20:33
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【ストックホルム=共同】1966年のノーベル文学賞の最終候補5人に小説家の川端康成が残り、「日本人の生活様式を見事に表現し、倫理観や美的意識、人々を鮮やかに描き、西洋的な影響を受けていない」と高く評価されていたことが、選考主体のスウェーデン・アカデミーが共同通信の請求を受けて2日開示した資料で分かった。

川端は68年に日本人で初めて文学賞を受賞しているが、その2年前にもあと一歩で受賞に手が届くところにいたことが明らかになった。

選考委のエステリング委員長(当時)は5人のうち川端を筆頭に挙げたが、66年はイスラエル人のシュムエル・アグノン、スウェーデン在住のドイツ人ネリー・ザックスのユダヤ系作家2人が受賞。他の最終候補2人は英国の小説家グレアム・グリーン、英国生まれの詩人W・H・オーデン。

この年の候補者総数は72人。日本人は川端と詩人の西脇順三郎。63~65年にも候補となり、63年には最終候補にも残った三島由紀夫は、66年は含まれていなかった。

アカデミーは65年に谷崎潤一郎が死去して以降、日本人では「川端がただ一人、受賞に値する」と指摘。小説「古都」を「傑作と呼ぶにふさわしい」とし、「感情あふれる丁寧で優雅な文体、洗練された芸術的なニュアンス」を絶賛した。

日本人に授与することが「文学賞を地理的に広げることにもなる」と指摘したが、全てが翻訳されているわけではないので「川端作品の全容を知り得ることができなかった」としている。

ノーベル賞の候補者名や選考過程は、50年間非公開となっている。

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