SGマーク製品、事故10年で1200件 ベビーカーなど安全基準合格
構造や表示などが安全基準を満たしていることを示す「SG(セーフグッズ)マーク」が付いたベビーカーなどの製品を巡る事故が、今年3月までの約10年間で少なくとも1259件起きていたことが3日、製品評価技術基盤機構(NITE)の初集計で分かった。

誤った使い方や不注意が原因となった例が目立つが、事故をきっかけに製品の問題が分かり、基準などの見直しにつながった例もある。
NITEによると、製品別では多い順にベビーカー732件、はしご・脚立136件、自転車の幼児用座席85件など。死亡事故が1件あったほか、重傷179件、軽傷300件。人身事故が全体の4割を占めていた。
ベビーカーでは、折り畳み式製品で開閉する操作や振動でねじが緩むなどして壊れる事故が多かった。開閉時に幼児が可動部に指を挟んで重軽傷を負ったケースがあり、指を挟みにくくするため可動部の隙間を5ミリ未満とする基準の見直しにつながった。
はしご・脚立では、兵庫県で2010年に屋根の工事で使用中の男性が転落、死亡するなど、誤使用や不注意の転倒、転落が大半を占めた。自転車の幼児用座席では、子供が足を乗せる部分が走行中に外れ、後輪に足が巻き込まれてけがをする事故が多かった。
他には「調理後にふたが外れて中身が飛び散り、やけどをした」といった圧力鍋63件、「使用中に本体が割れてやけどをした」といった湯たんぽ45件などが目立った。
NITEには10年間に製品全体で計約3万6千件の事故情報が寄せられたが、火災で激しく燃えるなどしてマークを確認できなかった製品もあった。SGマーク付き製品の事故は、実際にはさらに多いとみられる。〔共同〕
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