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文科省天下り、OBが退職直後から仲介 再就職先で特別待遇

文部科学省による組織的な再就職あっせん問題で、同省人事課OB(67)が2009年7月に退職した直後から仲介していたことが文科省の調査で分かった。OBは「10年から」と説明していたが08年12月の天下り規制の強化を受けて早い段階で関与していた。OBは再就職した同省と関係の深い団体などから報酬のほか「別室」などの特別待遇を受けていた。

政府の再就職等監視委員会は、同省人事課が大学などから寄せられた求人情報や退職予定者のリストをOBに示し「マッチング」する組織的なあっせんが少なくとも数十件あったと指摘している。

このOBは09年7月に退職し、直後にあっせんを始めていた。前年12月の改正国家公務員法施行で天下り規制が強化され、それまで人事課で行っていたあっせんをOB経由に変える脱法行為だったとみられる。

OBは退職後も人事課と定期的に連絡を取る一方、退職翌日には教職員の退職後の支援を行う一般財団法人「教職員生涯福祉財団」(東京)の審議役と、同省職員らの団体損害保険を扱う保険代理店(同)の顧問に就き、いずれも報酬を受け取っていた。

14年1月には、大学関連の書籍発行などを行う公益財団法人「文教協会」(同)の参与に就任。無報酬だったが、協会が近くのビルに設けた「別室」を単独で使い、財団が給料を負担する協会の女性職員がこの部屋で秘書業務をしていた。

その後の16年4月には「別室」の所在地に一般社団法人「文教フォーラム」を設立。OBはこの部屋を拠点に徒歩5分ほどの距離にある文科省庁舎を訪れ、人事課と退職者の情報を交換し、再就職を仲介していた。

これまでの取材にOBは「仲介はボランティアで行っており、報酬は受け取っていない」と強調。協会の担当者も「新規事業のために活動してもらっており、便宜供与はない」と説明している。

一方、OBが関与した団体には他の文科省出身者も多く在籍している。

教職員生涯福祉財団では現職を含め、理事長に3人続けて元文科事務次官が就任。文教協会も非常勤を含む役員・幹事9人のうち文科省出身者が6人を占める。OBが顧問を務めていた保険代理店には、このOBの以前にも文科省出身者が再就職していた。

ある文科省職員は「(OBが関与した)企業・団体もどれも省内では知られた存在で、職員が再就職しても問題とは思わなかった」と指摘する。

一連の問題では、OBによる仲介ルートのほか、前川喜平前事務次官が文科省から再就職した法人の代表理事に退任の意向の有無を聞き、後任に別の文科省出身者を充てようとしたことも違法と認定されている。松野博一文科相は2日の衆院予算委員会でこの法人は文教協会だったことを明らかにした。

松野文科相は「省全体として法令順守の意識が不足していた」と指摘しており、再就職等監視委員会に対して、3月末までに調査結果を報告することにしている。

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