ABCマート、違法残業の疑いで書類送検
東京労働局
(更新)
靴の販売店ABCマートを運営するエービーシー・マート(東京・渋谷)が従業員に違法な長時間労働をさせていた疑いが強まり、東京労働局は2日、労働基準法違反容疑で法人としての同社と役員ら3人を書類送検した。
従業員に過酷な労働を強いる「ブラック企業」対策のため、同労働局は4月に「過重労働撲滅特別対策班」を設置し、大手企業に絞って調査を進めていた。同班が書類送検するのは初めて。
関係者によると、同社は昨年、東京都内の2店舗で従業員に事前に労使で定めた残業時間を大幅に超える違法な残業をさせるなどした疑いが持たれている。
同社は過去にも複数の店舗で長時間労働で同労働局から指導を受けていた。改善がみられないため、書類送検する必要があると判断した。
同社の2015年2月期の連結売上高は約2100億円。店舗数は全国に約800店。
違法な長時間労働で病気や自殺に追い込まれる人が後を絶たないとして、厚生労働省はブラック企業の監視を強化。今年5月、従業員の違法な長時間労働で年3回是正勧告を受けた大企業の社名を公表する方針を打ち出している。
エービーシー・マートは「お客様や株主ら関係者に深くおわびする。長時間残業を解消する措置をとり、実施している」としている。
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