永井荷風晩年の創作ノート 都内の古書店で見つかる

2017/9/2 21:03
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 江戸文化や花柳界を題材にした作品などで知られる作家、永井荷風(1879~1959年)が晩年に書いたとみられる創作ノート2冊が、2日までに見つかった。小説や戯曲の下書きで、構成や表現を何度も練り直した跡がうかがえ、作品の構想を練った過程が分かる資料だ。

 ノートは、川島幸希秀明大学長(日本近代文学)が昨年、東京都内の古書店で購入し分析。大学ノート2冊に計約200ページにわたって、短編「吾妻橋」など、50年代に発表した小説や随筆などの下書きが、鉛筆で記されていた。

 ノートの冒頭には「二人艶歌師」という題名の小説が書かれていた。男女3人の人間関係をこまやかに描いた戯曲「渡鳥いつかへる」(50年初演)の下書きとみられる。途中、登場人物の名前を変えたり、情景描写を書き換えたりするなど、丹念に表現を練っていた。文字を塗りつぶし語句を吟味した箇所も膨大にあり、川島さんは「享楽的なイメージがある荷風だが、筆跡からは、最晩年まで作家として苦心していた姿が浮かび上がる」と説明する。

 荷風は、耽美(たんび)的な作風で知られ、明治から昭和にかけて多くの小説や随筆などを残した。同時代の社会を批判し、独自の生き方を貫いた。作品に「●(さんずいに墨)東綺譚」「断腸亭日乗」「ふらんす物語」などがある。〔共同〕

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