スルメイカ初水揚げ 函館、豊漁へ期待込め
北海道函館市の近海でスルメイカ漁が解禁され、2日早朝、約1.1トンが初水揚げされた。例年より少なめ。市水産物地方卸売市場での初競りでは、いけす用イカが1キロ7千円の高値で取引された。昨季は記録的な不漁に見舞われ、漁業関係者からは「今年こそ」と豊漁を願う声が上がった。

解禁は1日。松前町沖に出漁した10隻が2日午前3時半ごろ、続々と函館漁港に戻った。船のいけすからすくい上げられたイカは「キュッキュッ」と鳴きながら勢いよく水しぶきをあげた。
昨年の函館市での漁獲量は約8千トンで、10年前の5分の1まで落ち込んだ。漁師の佐藤豊次さん(67)は「昨年より量が多そうで安心した。冬まで安定して取れるといい」と期待を込めた。
初物を競り落とした地元の鮮魚仲卸業「二階商店」の二階隆博社長(64)は「イカが揚がると函館の街が活気づく。高値でもいいから今日は絶対に仕入れたかった」とほっとした様子だった。〔共同〕