特殊詐欺被害1~7月300億円超 被害者の8割60歳以上
今年1~7月、全国の警察が把握した振り込め詐欺など特殊詐欺の被害総額が300億円を超えたことが2日までの警察庁のまとめ(暫定値)で分かった。過去最悪だった昨年(年間の被害総額は約489億5千万円)を大幅に上回るペースとなっている。
警察庁によると、未遂も含めた1~7月の認知件数は7294件で、昨年同期より900件(14.1%)多かった。被害総額は約312億7千万円となり、昨年同期と比べ約60億8千万円(24.1%)増えた。
類型別の被害額は、おれおれ詐欺が約7億9千万円増の約97億9千万円で最多。架空請求詐欺が約54億2千万円増の約81億6千万円などだった。全体の被害者の約8割が60歳以上だった。
深刻な被害が続く中、警察庁の米田壮長官は1日、被害が多い神奈川県を訪問し、県警が運営する被害防止コールセンターを視察。「被害を一件でも減らすことに尽力してほしい」とオペレーターらを激励した。
神奈川県警によると、県警は民間業者に委託して2010年から同センターを運営。息子などを装い現金を要求する電話があった地域などを対象に、100人体制で注意を呼び掛ける電話をかけている。〔共同〕