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「通級指導」、高校でも 18年度開始へ文科省が準備

軽度の障害がある児童生徒を対象に、一時的に別室で特別な指導をする「通級指導」を、従来の小中学校に加えて高校でも2018年度から始めようと文部科学省が準備を進めている。義務教育ではなく、試験を経た生徒が集まる高校にはなじまないとの意見もあるが、既に導入している高校は「効果が高い」と手応えを感じているようだ。

「息を吐きながら」「つま先を蹴り出すイメージで」。千葉県立佐原高校の一室で、古山勝教諭(48)が3年の男子生徒(17)に声を掛けながら、足首を入念にほぐしていた。

男子生徒は自覚がないが、足を引きずる歩き方になる。運動に苦手意識もあり、体育で靱帯を負傷したのをきっかけに、古山教諭に相談した。通級指導のモデル事業として学校が設定した授業「自立活動」を受けることになった。

古山教諭とマンツーマンで週1回、ストレッチや片足立ちなどの運動に取り組む。男子生徒は「バランスを取りやすくなり、何かにつかまらなくてもズボンをはけるようになった。大学に進んだらゴルフを始めたい」と笑顔を見せた。

文科省によると、公立小中学校での通級指導対象者は年々増え、15年度は過去最多の9万270人。しかし、高校には通常の学級か特別支援学校の選択肢しかない。文科省の専門家会議が今年3月、高校でも導入すべきだとの報告をまとめた。小中学校と同様、身体の障害だけでなく、学習障害(LD)、注意欠陥多動性障害(ADHD)、自閉症などの生徒を対象とする見通しだ。

ただ、入試に合格している生徒に特別な授業をする必要があるのかとの指摘があるほか、高校には特別支援の専門知識を持つ教員が少ないなどの課題がある。

佐原高校はほとんどの生徒が大学に進む進学校だ。千葉県教育委員会は、学力とは関係なく特別な支援が必要な生徒がいるとして、14年度から同校を通級指導のモデル事業対象校に指定した。

これまで発達障害の傾向のある生徒を含む計5人がそれぞれに応じた指導を受けてきた。古山教諭は「高校を卒業した後に必要な、自分で社会に向き合う力が付く」と意義を強調する。

一方、通級指導を受けてほしい生徒がいても「困っていない」などと断られることがある。専門家会議も、集団を離れて指導を受けることへの抵抗感に配慮が求められると言及している。古山教諭は「本人や保護者、周囲の理解、協力が必要だ」と話している。〔共同〕

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