2019年6月21日(金)

オゾン層、南極上空で回復傾向 フロン規制が効果
米MIT、初めて確認

2016/7/1 21:11
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有害な紫外線をさえぎる効果があるものの、一時は破壊が進んだ大気上空のオゾン層が、今世紀に入って回復傾向にあることを初めて確かめたと、米マサチューセッツ工科大のチームが1日付の米科学誌サイエンスに発表した。破壊物質のフロンを規制してオゾン層を保護する国際条約「モントリオール議定書」の効果が表れた形だ。

2000年9月に南極上空に出現したオゾンホールの観測画像(青い部分)=NASA提供・共同

2000年9月に南極上空に出現したオゾンホールの観測画像(青い部分)=NASA提供・共同

日本の昭和基地の観測データなどを分析した結果、南極上空でオゾン層が極端に薄くなって穴が開いたような状態になる「オゾンホール」が2000年を境に小さくなっていた。チームを率いるスーザン・ソロモン博士は「世界が共に行動することで、地球が回復に向かうのを見ることができた」としている。

オゾンを破壊するのは古いエアコンや冷蔵庫、スプレー缶などに使われる人工化合物のフロン。大気中に放出されてオゾンホールが拡大し、紫外線を浴びることで皮膚がんが増える懸念が1980年代以降に高まった。87年にフロンの製造や使用を規制するモントリオール議定書を採択。全廃に向けた段階的な取り組みを各国が進めている。

チームは、南極のオゾンホールが最大に近づく9月の気球や人工衛星による観測データを分析。オゾンホールは00年以降に縮小傾向に転じ、15年間で面積が400万平方キロ以上縮小していた。オゾン層の破壊が少なくなり、回復に向かっていると結論付けた。

15年はオゾンホールが拡大したが、オゾン層破壊を促す火山噴火が主な原因だった。

▼オゾン層 上空10~50キロの成層圏で、3個の酸素原子からなるオゾン分子が多く存在する大気の層。太陽からの有害な紫外線を吸収する。大気中に放出された人工化合物のフロンが紫外線で分解されると塩素が発生してオゾンを壊す。南極や北極にオゾン層に穴が開いたようになるオゾンホールが見つかって皮膚がんなど健康影響の懸念が高まり、モントリオール議定書によってフロンの製造や使用が規制された。

〔共同〕

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