2019年9月16日(月)

避難準備情報、意味知らず 9人死亡高齢者施設の運営者

2016/9/1 23:40
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台風10号の豪雨で9人が死亡した岩手県岩泉町の高齢者グループホーム「楽ん楽ん(らんらん)」の運営者が、移動に時間がかかる高齢者らの避難開始を求める避難準備情報の意味を知らなかったことが1日、分かった。同情報は台風が東北に上陸する約9時間前から町内全域に発令されていた。水害を想定した避難訓練もしておらず、災害への危機意識の薄さが被害拡大を招いた可能性がある。

ホームの運営法人の佐藤弘明常務理事が1日、取材に「避難準備情報がそういうものと把握していなかった」と述べた。

岩泉町は台風10号の接近が見込まれた8月30日午前9時、全域に避難準備情報を発令した。

佐藤常務理事は同日午後5時ごろ、避難について相談しようと町役場を訪問。5時半ごろ、ホーム周辺に戻ると、道路の冠水が始まった。施設の車を高台に移動させ、ホーム周辺に戻った6時ごろには、水が胸の高さまで上昇していた。

避難訓練は、火災発生を想定したものは年2回実施していた。しかし川の近くに立地しているにもかかわらず水害に関しては行っておらず、対応マニュアルもなかった。

ホーム周辺は過去にも水害があったが20センチ程度の浸水にとどまり、佐藤常務理事は「(大きな被害は出ないという)過信があった」と述べた。

ホームを襲った水の流れについては、予想外の方向から来たと説明した。施設南側にある川が氾濫し、押し寄せると考えていたが、被害当時は、反対の北西側から流れ込んだという。

佐藤常務理事によると木造平屋のホーム内では180センチほどの高さにある時計が7時45分で止まっていた。このため30日午後7時45分ごろに、時計の高さまで濁流が到達した可能性がある。〔共同〕

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