東芝に6000万円賠償命令 東京高裁、過労でうつ病の社員解雇
過重労働でうつ病になり、不当に解雇されたとして、東芝元社員の重光由美さん(50)が東芝に約1億円の損害賠償を求めた訴訟の差し戻し控訴審で、東京高裁(奥田正昭裁判長)は1日までに、約6千万円の支払いを命じた。差し戻し前から賠償額を増額した。
訴訟では重光さんが精神科への通院歴を申告しなかったことの過失が争われた。最高裁は2014年、「申告がなくても会社には安全管理に注意すべき義務がある」と判断。重光さんの過失を認めて賠償額を2割減額した控訴審判決を破棄し、審理を差し戻した。
判決によると、重光さんは埼玉県深谷市の工場で液晶生産ライン開発のプロジェクトリーダーを務め、01年にうつ病を発症。休職後に職場復帰しなかったとして04年に解雇された。解雇の無効については、差し戻し前の控訴審ですでに確定している。