朔太郎、女性歌人と「文学上の交際」 全集未収録の書簡初公開

2015/10/1付
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詩集「月に吠(ほ)える」などで知られる詩人の萩原朔太郎(1886~1942年)の全集未収録の書簡が見つかり、東京都北区の田端文士村記念館で1日始まった企画展で初めて公開された。朔太郎が24歳年下の女性歌人に送った書簡で、2人が「文学上の交際」を深める様子が分かる。

書簡は1934年から42年にかけ、朔太郎が歌人の森房子さん(1910~2010年)に送った。森さんの遺族が今年、記念館に寄贈した。13通あり、うち10通が全集未収録。今回は8通(未収録7通)を展示した。

34年8月16日の書簡では「歌の方はどうですか。その後の御近作あらば見せて下さいませんか。詩も作つたら見せませんか。遠慮なく批評しますから、そつちも遠慮しないで見せて下さい」と森さんを気遣っている。

ランボーや自分の詩集「氷島」を引き「小生はやはり北極圏の氷島人種らしく、夏の暑さは完全にまゐつてしまひます。夏は小生にとつて『地獄の季節』です」などというユーモラスな記述も。同年11月28日の書簡では「郊外へでも一日散歩致したく存じますが如何(いかが)でせうか」と誘っている。

記念館の田村亜希研究員は「若い弟子を見守る温かく優しい一面がうかがえる貴重な資料だ」と話している。企画展「文士の手紙」は11月29日まで。入館無料。

〔共同〕

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