自宅損壊大ならメタボリスク増 東日本大震災の被災者
東北大などは1日、東日本大震災で自宅が損壊した人は損壊がなかった人に比べてメタボリック症候群のリスクが高いとの調査結果を発表した。自宅が全壊した男性の場合、リスクが29%高まっており、東北大東北メディカル・メガバンク機構の宝沢篤教授(予防医学・疫学)は「ストレスから外出を控え運動不足になるなどの関連が考えられる」と話している。
全壊、大規模半壊、半壊、一部損壊の4段階で、損壊の程度が大きいほどリスクが高まった。女性でも同様の傾向がみられた。
また精神状態に関する調査では内陸部と沿岸部を比較。抑うつ症状を訴えた人の割合は沿岸部で27.8%、内陸部で24.8%と沿岸部で高かった。心理的苦痛や不眠症状、心的外傷後ストレス反応(PTSR)を訴える割合も沿岸部でやや高かった。
調査は2013~15年度、東北大と岩手医科大が主体で宮城県と岩手県の男女約6万3千人を対象にアンケートを実施した。