生活保護、高齢者が初めて50%超す 厚労省調査
生活保護を受給する世帯のうち、65歳以上の高齢者を中心とする世帯が3月時点で過去最多の82万6656世帯に上り、初めて受給世帯の半数を超える50.8%となったことが1日、厚生労働省の調査で分かった。うち単身世帯が9割に上る。
厚労省の国民生活基礎調査では、高齢者世帯は約1221万世帯(2014年6月時点)で、受給世帯は約6%に当たる。高齢化が進む中、低年金や無年金で老後を迎え、身寄りもなく生活保護に頼る高齢者の貧困の深刻化が鮮明になった。
厚労省の担当者は「高齢者が就労できず、就労しても十分な収入を得られていない」と分析。景気回復による雇用改善で現役世代の受給が減る一方、高齢者の伸びが全体の受給者数を押し上げている。
厚労省によると、全体の受給世帯数は前月より2447世帯増加して163万5393世帯で、過去最多を3カ月ぶりに更新。受給者数は216万4154人で2847人増え、人口100人当たりの受給者数である保護率は1.71%だった。
調査では、高齢者だけで構成されているか、ほかに18歳未満の未婚者を含む場合を高齢者世帯に分類。一時的に保護受給を停止しているケースを除き、高齢者世帯は前月に比べ1万8357世帯増加。働ける世帯を含む「その他世帯」は26万6172世帯、母子世帯が10万924世帯、傷病者・障害者世帯は43万3167世帯で、いずれも前月より減少した。
厚労省によると、保護費のうち食費や光熱費などに充てる「生活扶助」として支給される額は、68歳単身の例で都市部は約8万900円、地方で約6万5600円。〔共同〕