徳田虎雄氏を不起訴 東京地検、捜査終結へ
徳洲会グループを巡る公職選挙法違反事件で、東京地検特捜部は1日、徳田虎雄元理事長(76)を不起訴(起訴猶予)とした。虎雄氏が難病のALS(筋萎縮性側索硬化症)の回復の見込みが立たず公判への出廷が難しいことや、共犯者らの有罪が確定していることなどから起訴猶予が相当と判断した。
徳洲会グループを巡っては、虎雄氏の次男、徳田毅元衆院議員(43)=議員辞職=の選挙運動で不正があったとして、特捜部が昨年12月、虎雄氏の親族やグループ幹部ら計10人を同法違反(買収など)罪で起訴し、全員の有罪判決が確定した。
虎雄氏について、地検は違法な選挙運動の「総括主宰者」だったと認定したものの、病状などを考慮して在宅での取り調べを進め、同年12月に起訴・不起訴の判断をいったん見送る「中止処分」としていた。
刑事訴訟法上、検察官は容疑者の犯罪の嫌疑が濃厚な場合でも、病状などの事情を考慮して起訴せずに起訴猶予とすることが認められている。