モノのインターネット、10年で5倍に 情報通信白書
総務省は28日に公表した2015年版の情報通信白書で、様々なモノをインターネットにつなぐIoT(インターネット・オブ・シングス)が10年で5倍に拡大するとの試算を初めて公表した。「様々なデータを収集・分析し、業務効率化につなげる動きが活発化する」と指摘した。
試算では、ネットにつながるモノの個数が20年に530億個になり、11年比で5.1倍になる。IoTの普及が特に進むのは消費者向け家電などで、20年にはネットにつながる機器が130億個を超す。スマートフォンなどを使って屋外から家電を遠隔操作するなどのサービスが注目されている分野だ。
分野別で最も高い伸びが見込まれるのは自動車で、年平均30%の伸びが続くと試算。このほか産業オートメーションや通信などの分野でもIoTの活用が進む。
白書には同時に、地方でも情報通信技術の利用が進めば、約20万人の雇用創出効果が見込めるとの試算も盛り込んだ。都市部と同様に情報通信技術が使われれば、既存事業の成長で約8万人、新規事業の創出で約11万人の雇用創出効果があるとして「地方に移住する人を後押しできる」と指摘した。