廃炉推進、新支援策を検討 経産省、会計処理見直しも

2014/10/27付
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経済産業省は27日、古くなった原子力発電所の廃炉を円滑に進めるため、原発が立地する自治体への新たな財政支援策の検討を始めた。電力会社向けの対応として、廃炉を決めても一度に巨額損失を計上しなくて済むよう、会計処理のルールを見直す。廃炉は自治体や電力会社の経済的な負担が大きいため、経産省は年度内に対策の方向性を打ち出す考えだ。

経産省は国内の老朽原発7基について、年内にも電力会社に廃炉か運転延長かを判断するよう求めている。できる限り早く対策を取りまとめ、判断に生かしてもらう。

原発が立地する自治体は現在、電源立地地域対策交付金を受け取っている。経産省によると、今年度の予算額は約987億円で、各地で地域経済振興などに向けた予算として使われている。

廃炉が決まった場合は、翌年度から支給の対象外となる。同日の総合資源エネルギー調査会の原子力小委員会に出席した福井県の西川一誠知事は「廃炉は完了するまで長い期間がかかる。(原発が)更地になるまでの安全対策、地域支援などの新しい仕組みが必要だ」と述べ、経産省に新たな支援を求めた。

経産省も「多くの立地自治体で原子力関連の歳入の割合が高い」とし、産業振興や雇用対策などの名目で新たな財政支援に乗り出す検討を始めた。年度内にも具体的な仕組みなどを詰める。

電力会社の会計制度の見直しも急ぐ。現在は廃炉を決めると、電力会社は一括で巨額の損失処理が必要となる可能性がある。経産省は特別損失をできるだけ少なくするため、近く電気料金審査専門小委員会の下に作業部会を立ち上げ、緩和策の議論を始める方針だ。

廃炉を巡っては経済面以外の課題もある。現状では廃炉作業で原子炉などから出る放射性廃棄物の処分場はどこに整備するか決まっていない。小委員会では「廃棄物の行き先は日本全国に関わる問題だ」とし、検討加速を求める声が上がった。

この日の会合では、電力会社に対し原発で発電した電気を拠出することを義務付けることも検討課題として上がった。2016年4月からの電力小売りの全面自由化を見据え、新たに参入する販売業者が電気を調達しやすくすることが目的。経産省は「指摘を踏まえ、必要に応じて検討する」としている。

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