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最低賃金、上げ幅「前年超え」焦点 厚労省審議会で議論

厚生労働省の中央最低賃金審議会は27日、2017年度の最低賃金の引き上げに向けた議論を始めた。現在は全国平均823円で、25円だった16年度の引き上げ額を上回るかが焦点になる。政府は賃上げの流れを広げ消費の底上げにつなげたい考えで、正社員と非正規の不合理な差をなくす「同一労働同一賃金」の浸透もにらむ。

最低賃金は企業が労働者に払わなければならない最低限の時給を指す。7月下旬をめどに引き上げの目安額を決める。政府は3月にまとめた働き方改革の実行計画で、最低賃金の「年3%程度」の引き上げとともに全国平均で1000円をめざす方針を示した。塩崎恭久厚労相は27日の記者会見で「実行計画を踏まえた議論をしっかり期待したい」と強調した。

景気が回復傾向にあるなかで、4月の有効求人倍率は1.48倍と43年ぶりの高水準にある。現時点で中小企業側は大幅な賃上げには慎重な姿勢だが、人手不足という背景と人材の確保を急ぎたい観点から、最終的には2年連続で20円を超える引き上げに向けて軟化する公算が大きそうだ。

厚労省によると、16年度の改定で引き上げ対象になったのは中小企業の労働者約1割にあたる。割合は徐々に増えてきた。また、同省は最低賃金の引き上げが労働者間の格差是正にも貢献すると判断。パートやアルバイトなど非正規労働者が働く人の4割を占める中で、19年度にも制度導入を目指す同一労働同一賃金の実現に向け、最低賃金引き上げがその環境整備につながるとみている。

最低賃金は都道府県ごとに金額が異なり、現在は東京が932円、大阪が883円、沖縄が714円。16年度の全国平均の25円引き上げは、現在の決め方になった02年度以降で過去最大だった。

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