関電、5月に電気料金引き下げへ 高浜原発の再稼働で
関西電力は26日午後5時、高浜原子力発電所4号機(福井県)で原子炉の核分裂反応を抑える制御棒を引き抜く作業を始め、原子炉を動かした。稼働は2011年7月以来、4年7カ月ぶり。八木誠社長は26日の記者会見で、5月1日から電気料金を引き下げると明らかにした。原発の再稼働で火力燃料費が浮く分を値下げの原資に充てる。
八木社長は「全ての顧客に再稼働で浮いたコストを還元する」と述べた。具体的な下げ幅は明らかにしなかったが、家庭向けで平均5%前後で調整している。原子力規制委員会が安全審査を進める大飯3、4号機(福井県)が稼働すれば「さらに値下げする」と改めて語った。
先に再稼働した高浜3号機は26日に営業運転に移った。高浜4号機は27日早朝に核分裂が連続する「臨界」に達し、29日に発電と送電を始めて3月3日にフル稼働に達する見通し。関電は高浜4号機が営業運転に移る3月下旬以降、政府に料金引き下げ改定を届け出る見通しだ。
高浜4号機は3号機と同様、ウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料を使うプルサーマル発電を導入する。通常のウラン燃料より高価だが、八木社長は「資源の有効利用の観点から重要だ」と強調し、大飯1~4号機のいずれかでも導入する方針を示した。
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