2017年11月21日(火)

総裁「2%達成に遅れも」 日銀、15年度物価見通し1%に

2015/1/22付
保存
共有
印刷
その他

 日銀の黒田東彦総裁は21日、金融政策決定会合後の記者会見で、物価上昇率を2%とする目標の達成時期が「多少前後する可能性がある」と述べた。日銀は2013年4月に「2年程度で2%」の目標を掲げたが、原油安で目標達成が16年度に遅れる可能性を示した形となる。雇用回復や賃上げで物価上昇基調は崩れていないと説明し、当面は追加緩和に慎重との姿勢もみせた。

 日銀は3カ月に1度、消費者物価指数(生鮮食品を除く)の上昇率見通しを見直している。今回、15年度の上昇率を1.0%とし、昨年10月時点の1.7%から大幅に引き下げた。

 原油価格に関し、16年度にかけ1バレル55ドルから70ドルへ上昇していくとの前提を置いた。そのうえで黒田総裁は「足元0%台後半の物価上昇率が今後さらに低下していく可能性がある」と指摘した。15年度の物価上昇率は原油安で0.7~0.8ポイント押し下げられると試算している。

 日銀は原油価格が下げ止まれば、「前年比の影響はいずれ剥落する」(黒田総裁)として15年度終盤にかけ物価が再加速するシナリオを描く。ただ、原油相場の先行きは読みづらく、黒田総裁は2%の達成が「(16年度に)はみ出ることもある」と述べた。

 もっとも、黒田総裁は物価の基調は「着実に高まっていく」との見方は維持した。雇用の改善に加え、賃上げへの期待が高まっているためだ。原油安や円安で企業収益への追い風が強まる面もある。黒田総裁は「企業や家計の物価観が2%目標に向け着実に進んでいれば、追加的な(緩和)措置は要らない」と明言。今回の会合でも追加緩和は見送り、賃上げや企業の価格設定を慎重に見極める姿勢を示した。

 21日の会合では緩和効果の波及を促すため「貸出支援制度」の拡充も決めた。医療など成長分野へ融資した金融機関に0.1%の低利で融資する枠を現在の7兆円から10兆円に増やした。今年3月としていた受付期限を1年延長したほか、信用組合など中小金融機関も制度を利用しやすいようにする。年80兆円のペースで供給するマネーが民間部門へと円滑に回るようにし、物価上昇につなげる狙いだ。

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ

関連キーワードで検索

日銀黒田東彦原油安



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報